
なんとまた、北海道・石狩の農家さんから、今度は馬鈴薯というか旬のキタアカリが届いてしまいました。なんか前回・前々回のコラムがお気に召してもらえたのかなあ…

それにしても3Lサイズのキタアカリが10kg。まさに「北の大地からの贈り物」です。
ちなみに、じゃがいものサイズは以下のように分類されています。
- 3Lサイズ:260g以上
- LLサイズ:190〜260g
- Lサイズ:120〜190g
- Mサイズ:70〜120g
送られた段ボール箱には「3L」とプリントされていましたが、だいたい300g以上、大きいのは430gとか、かなり「特大」です。
「北海道では大きなじゃがいもは人気ないからねえ」 by 農家さん
今回は「ハネ品」ではないようですが、大きなじゃがいもは敬遠されがちで、流通経路によっては「規格外」扱いになるところも。その主な理由は、
(1)大きいじゃがいもは、中心にス(空洞)が入りやすく、それが外見からは分からないから。
(2)家庭で少量だけ使いたい時に量が調節しづらく、1個丸ごと蒸したり茹でたりする場合に時間がかかるから。(ちなみに400g前後のキタアカリを「じゃがバター」にしようと思ってせいろで蒸したら40分以上かかりました)
といったところ。ただ一方で「ポテトサラダを大量に作りたい」と言った大量調理の現場では、割安で仕入れられることもあり、それなりの需要があるとの話も。実際いただいたじゃがいもを切ってみると、今のところ10個近く試したけれど400g超の特大サイズに1個スが入っていただけでした。
まあスが入っていても、そこを切り取れば良いだけなので個人的にはまったく問題ないのですが、お店などで40分かけてせいろ蒸しして「じゃがバターをいざ切ってみたらスがあった」では辛いのかな…
キタアカリとは
ということで今回はキタアカリについて学びながら料理、いや「攻略法」を開発していきたいと思います。
キタアカリは男爵いもの改良型

キタアカリは1975年(昭和50年)に旧北海道農業試験場が、男爵いもと虫害への耐性があるツニカを交配して生まれた、いわば道産子のじゃがいも。写真のように男爵いもと比べると「肌荒れ」したような表皮と果肉の色が黄色っぽいのが特徴的。
キタアカリは思いのほか手強い
キタアカリは「ホクホク系」で、甘く食味は良い代わりに、男爵いも以上に火が入りやすく煮崩れしやすいです。特に「水で煮る」系の料理に使うと、一瞬 目を離した隙に「ただのツブツブ」になって、その大半がお湯に消えていきます。
そう、キタアカリは美味しいけど、実は意外に扱いの難しい食材です。
キタアカリが向いている料理

(1)煮崩れてもらいたい料理:ポテトサラダやコロッケの具
ただし注意が必要なのは、水で煮るとちょっと目を離した隙にその大半が水に流れてしまうこと。

(2)皮ごと加熱できる料理:じゃがバター
皮ごと蒸したり、焼いたりすれば煮崩れる心配もないので、じゃがバターはお勧めです。この大きさだと蒸し器で中心に火が通るには40分ぐらいかかりますが…

(3)揚げる料理:ポテトフライ
キタアカリは糖分が多いので油料理には向かないという説もありますが、ポテトフライにするとホクホクで美味しいです。

(4)炒める料理:ジャーマンポテト
炒める料理もいけます。火が通らないことをあまり心配せずにホクホクに仕上がります。送ってくれた農家さんはご自宅では、もっぱらジャーマンポテトでいただくそうです。
キタアカリが向かない料理

(1)煮物料理:肉じゃが
普通に作ると、簡単にこうなります。じゃがいもの原型をとどめているのは… 元の半分以下に。「じゃがいもをまとった豚肉」ってのも、これはこれで美味しいんですけどね。

(2)煮込む料理:クリームシチューやカレー
煮込む系の料理になると、さらに被害は甚大です。じゃがいもはほぼ消失します。その分とろみが付く感じにはなりますが…
キタアカリでクリームチーズ ポテトサラダ
思いのほか手強い「隠れボスキャラ」のキタアカリですが、これから攻略法を考えていきましょう。まずは一番ハードルが低そうな「ポテトサラダ」から。個人的な好みで「クリームチーズ ポテトサラダ」を作ります。
ポイントは「水で茹でない」
キタアカリ初心者にとって、皮を剥いたキタアカリを水で煮るのはリスキーです。最悪じゃがいもが消失し、煮たお湯がただの「重湯」になるのではないかとすら恐怖を覚えます。なのでキタアカリを加熱する場合には以下の2つがお勧めです。
(1)皮付きのまませいろで蒸す(やむを得ない場合は皮付きのまま茹でる)
(2)皮を剥いて電子レンジでチンする
調理時間を考えたら私は当然ながら(2)を選択します。ではさっそく作っていきましょう。
クリームチーズ ポテトサラダの材料・分量

- じゃがいも(キタアカリ)⋯約300g 3Lなら1個、普通のサイズなら2個相当
- クリームチーズ⋯70g
- 塩⋯1g
- マヨネーズ⋯24g(大さじ2)
- 粗挽き黒こしょう⋯適量
下ごしらえ

キタアカリの皮を剥いて、適当な大きさにカットして水を張ったボウルへ。

クリームチーズ70gと塩1gを前もってボウルに入れておきます。
電子レンジ600W ✕ 6分

じゃがいもを耐熱容器に移します。ちなみに今回のキタアカリは皮付きで283g。3Lとしては小ぶりな方でした。
普段は、ついめんどくさがって包丁で皮むきをしてしまいますが、今回はピーラーを使いました。やっぱりピーラーってすごいですね。皮を剥いてもたった10gしか減っていません。
いくら包丁が上手でもピーラーを使った方がエコな気がします。

そして電子レンジへ。600Wで6分間加熱します。
クリームチーズと合わせる

6分間加熱したら、そのまま2〜3分余熱で火を入れ、じゃがいもの熱でクリームチーズが柔らかくなるようにボウルに入れます。

ここで登場するのがポテトマッシャー。はっきり言ってフォークで潰せば済む話なんですが、変な力がかかって昭和の時代に一世を風靡した超能力者のようにフォークが曲がってしまったら嫌だな、と思い買ってしまいました。

せっかくのマッシャーなので、じゃがいもを潰します。ただ、ことキタアカリの場合、あっという間に原型をとどめなくなるので、マッシャーが登場するのはこの一瞬だけ。ほぼ不要です。(苦笑)

いもが潰れたら、すぐに木べらに持ち替えて混ぜた方がやりやすいです。
マヨネーズを混ぜ合わせる

クリームチーズとじゃがいもがおおよそ混ざったら、マヨネーズ24g(大さじ約2)を投入します。このあたりは混ぜ合わせながら味見をして、お好みの量に加減してください。

ちなみに個人的には、スーパーマーケット福島屋さんのオリジナル商品のマヨネーズが気に入っています。東京都羽村市に本店があるお店ですが、なぜか六本木一丁目と虎ノ門には店舗があり…
通販サイトも準備中のようですが、ご興味がある方は上の写真をクリックしてみてください。
最後に黒こしょうで仕上げ

マヨネーズが混ざったら最後に、できるだけ粗挽きの黒こしょうを多めに振りかけてパンチを出すと、お酒のアテになる「大人のポテトサラダ」に。

黒こしょうを混ぜ終えたら完成です。今回はシンプルに作ってみましたが、あとはお好みできゅうりやにんじん、玉ねぎなどお好きな具材を加えてみてください。

さらに、生ハムで巻いてオリーブオイル&追いこしょうでもすれば、ビールやハイボールに合うおつな一品の完成です。
今回は、キタアカリが一番合っているポテトサラダを作りましたが、次回はキタアカリが一番苦手な「煮込み料理系」にチャレンジしてみたいと思います。
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