雨の日はチヂミでマッコリを

前回のあらすじ

 前回は麻布十番の蔘鶏湯(サムゲタン)の名店グレイスの「タラチヂミ」を作ろうとして、それは「鱈のジョン」というのが正確な料理名だったと知りました。

グレイスのタラチヂミと黒豆マッコリ

そして日ごろ「チヂミ」と言っているのは方言で、韓国の標準語では「プチㇺゲ」とか「ジョン(チョン)」という名前だったことも。
さらに、

チヂミ⋯高温で焼いて焼色を付け、中はモチモチ、外はカリッと。
ジョン⋯出来る限り低温で焼いて、たまごの黄色を生かし、決して焦げ目を付けてはいけない。韓国風ピカタ。

という違いも知り、「鱈のジョン」は表面温度=100℃という低温でじっくり火を入れました。

鱈のジョン チヂミを作るつもりが似て非なるものだった

チヂミを作るつもりが、いつの間にか「似て非なるもの」を作ってしまったので、今回は日本人が想像する、いわゆる「チヂミ」を作ってみたいと思います。

雨の日はチヂミを

 どこまで本当か知りませんが、韓国の人は雨が降ると「チヂミを食べたいね〜」となるそうです。
「雨の日はチヂミ」の由来は、多めの油を使い高温で焼くパチパチという音が雨音に似ているから、という説もありますが、大雨が降って外に買い物に出るのもおっくうな時に、家にある食材でちゃっと作れるから、という話が本当らしく感じます。だから具材の種類も豊富です。

定番の野菜系だと、にら、ニンジン、玉ねぎ、そしてすりおろしたじゃがいもなど。
海鮮系だと、いか、えび、アサリなど。
そして韓国の家庭の冷蔵庫にはほとんど常備されているであろう「キムチ」。
最近は日本でもよく見かけるねぎを使った「パジョン」もチヂミの一種です。

小麦粉とごま油と、冷蔵庫にある何かの具材。それさえあればいつでも作れてしまう万能料理。
外の雨音を聞きながら、チヂミをつまみにマッコリを傾ける…
想像するになんか素敵です。

手間ひまをかけて作る繊細なフレンチも良いんですが、突然の来客があった時に「こんなものしかなくてごめんね〜」とか言いながら美味しいつまみをサッと出せる。
ある種の「理想像」ですね…

にらチヂミのレシピ

 ということで今回は、基本のにらチヂミを作ってみたいと思います。鱈のジョンは、ごく低温・油少なめで火を入れるということで表面温度=100℃で作りましたが、チヂミは高温・油多めで外はカリッと中はモチモチですから、表面温度=190℃で焼きたいと思います。

にらチヂミの材料・分量(2人分)

【チヂミの材料】

  • にら⋯1/2束
  • 薄力粉⋯大さじ3(27g)
  • 片栗粉⋯大さじ1(9g)
  • 鶏がらスープ顆粒⋯小さじ1(2.5g)
  • 水⋯80ml
  • 塩⋯少々(0.5g)
  • ごま油1⋯大さじ1(15ml)
  • ごま油2(追加用)⋯大さじ1/2(7.5ml)

【つけダレの材料】

  • ポン酢しょうゆ⋯大さじ1(15ml)
  • グラニュー糖⋯1g
  • ラー油⋯適量
  • 白炒りごま⋯小さじ1(3g)

つけダレは、ポン酢の代わりにしょうゆと酢を同量で割っても良いですし、砂糖をはちみつに変えたり、ラー油を一味唐辛子に変えたり、コチュジャンを加えたり… まあお好みでアレンジを。

つけダレの材料を合わせる

焼き立てをいただきたいので、つけダレの材料は前もって混ぜておきましょう。

にらは3cm幅ぐらいにカット

にらは3cm幅ぐらいにカットします。

生地の材料を混ぜる

小麦粉・片栗粉・塩・鶏がらスープ顆粒をボウルに入れて、水を加え、ダマにならないようよくかき混ぜます。
たこ焼きやお好み焼きに比べると、結構粘性が低く、しゃばしゃばな感じの生地にします。

生地が混ざったら、にらも投入して混ぜ合わせます。

190℃に加熱

フライパンにごま油大さじ1を投入して加熱スタート。表面温度=190℃に加熱します。

190℃で4分焼く

190℃になったら生地を投入。片面を4分間焼きます。

裏返して2分焼く

4分焼いたら、フライ返しなどで裏返して2分間焼きます。フライパンを傾けてフライ返し下に差し込んでクルッと返すと、きれいに裏返しにできます。

仕上げは1分間

2分間焼いたら、もう一度裏返して1分間仕上げの焼きを入れます。この時の裏面(下側の面)が盛り付ける時の表面(上側の面)になります。

にらチヂミ完成

にらチヂミの完成です。韓国ではカットせずそのまま皿に盛り付け、みんな箸で千切って食べるとも聞きますが、日本ではこんな感じにカットして提供する方が多いですかね。

あとはマッコリと雨…

あとはマッコリと、外が雨なら言う事なし。
ところで、遥か昔 仕事でソウルに行った時、「マッコリを飲みたい」と言ったら、仕事先の若い女性が眉をひそめながら、

「えっ?あんな安いお酒が飲みたいの?韓国ではあんなの貧乏な人か、こっそりお酒を飲む学生しか飲まないよ。大体アルコール少なくて酔えないよ。チャミスル飲もう!」と。

で、そのまま東大門あたりの屋台街に連れて行かれてチャミスルを…
確かにその女性は圧倒的にお酒が強くて、へろへろになった記憶があります。これだけ酔わないならマッコリでは効率が悪いのかもしれません。

チャッピー(Chat GPT)によれば、その後は高級なマッコリも作られるようになり、今では焼酎だけでなくマッコリが大好きな韓国の人も結構多いそうです。
日本酒が海外でも人気になっているように、アルコール分解酵素遺伝子を多く持つ国々の「アルコール度数が高い酒=高級」という一昔前の価値観も変化してきているのでしょうか?

かつては「中国出張で現地宴会予定」とか言われると、急性アルコール中毒の恐怖以外のなにものでもなかったですから。
人の嗜好というのも時代によって変わっていくものなのですね。

ということで公開したReproレシピはこちら。Reproユーザーの方はアプリで検索してみてください。



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