明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
そして、皆さんもそろそろおせち・お雑煮にも飽きてきた頃合いかと。
新年早々カミングアウトしますが、個人的には「お餅」にさして情熱を持っている方ではありません。お正月以外は、ほとんど「お餅」のことを忘れていて、年末に「そろそろお雑煮の準備を…」となって、初めて台所の隅に放置されている1年前のお正月に買ったお餅が発掘されるという意識の低さです。
目次
お餅LOVERたちはすごい
世の「お餅LOVER」たちからすれば「切腹もの」の所業ですが、そんな「お餅意識低い系」でも「フードロス」に対する罪の意識はあるわけで、どうにかお餅を美味しく消費しようと、さまざまなレシピサイトをチェックしたのですが…
お餅LOVERの代表格と言えば、農林水産省の松本純子さん。
常にお餅に対する情熱と愛にあふれています。
彼女に「1年前の正月の餅を発掘した」なんて知られたら「農水省の闇の力」が…
(年末年始にNetflixで「Stranger Things」完結編を見たので、国家や軍の陰謀に過敏になっています)
Simple is best
国家の陰謀はともかく「正月のお餅を残さない!」ために、雑煮以外のお餅のレシピを、大手食品メーカーや有名なレシピサイトなどで検索したのですが、松本さんのnote記事以上にグッとくるものは見つかりませんでした。
それはなぜか?
他のレシピサイトのものは、お餅にそれなりに手を加えて「何がしかの料理」に仕立てられています。レシピサイトだから当たり前に「レシピ」という体裁が最低限必要で、それは、とどのつまり「お餅を使った料理のレシピ」なわけです。
言い換えれば、私のような「意識低い系」に色々なお餅の食べ方(=消費方法)を教えてくれるもの。

それに対して松本さんのレシピが目指すところは「お餅そのもの」です。
「お餅を お餅として美味しく食べる最小限の工夫」を教えています。つまりは上質な餅を美味しくいただきたい「お餅LOVER=意識高い系」に向けたピュアなメッセージ。
海苔を巻く「磯辺焼き」、スライスチーズと焼く「チーズ餅」、茹でた餅をめんつゆと納豆で和えた「納豆餅」…
そりゃやっぱり「餅は餅として味わう」のが一番美味しいに決まってますよ。お餅好きには、このコラム記事よりよっぽどためになります。
お餅を食べるとおなかいっぱいに
それでもなお、このコラムでは「お餅を使った料理のレシピ」にこだわります。その理由は2つ。
1つ目は、
「お餅を食べると腹持ちが良過ぎて、それだけでおなかいっぱいになってしまうから」
という我が国の高齢化社会を象徴したかのような「大人」な理由。
これ結構悩ましいです。美味しい「納豆餅」を食べたら腹持ち良すぎて、
「きょうのごはんはこれでいいか…」
になってしまいがち。(カロリー的にも お茶碗中盛りの納豆ごはん食べているのといっしょですし)
お餅は美味しいけど、それだけで「今日のごはんは終わり」というのもさびし過ぎるというジレンマに…

そもそも大人になってから、お餅を単体で食べたという記憶がほとんどないですね。旅先で「名物◯◯餅」のようなお店に出会うという例外を除いて。
お餅って 「小腹がすいた時」によく食べるイメージですが、会社で餅を焼いている人みたことないですし…
だいたい歳を重ねると「小腹がすいた」という感覚自体が減ってきます。(苦笑)
子どもの頃は、母が油で炒めた餅に砂糖じょうゆをからめて、よくおやつに食べさせてくれたりした記憶があるのですが…
シリコン樹脂加工のフライパンで焼き餅はNG
そしてもう一つの理由。こちらが本当は重要なのですが、
「Reproで焼き餅は出来ない」
ということ。さらに正確に言うと、
「シリコン樹脂加工のフライパンで焼き餅を焼いてはいけない」
です。
レシピサイトによってはシリコン樹脂加工のフライパンでの焼き餅の焼き方なんて書いているところもありますが、そんなことしちゃダメです。
お餅が焼けて軽く焦げ目ができる温度は230〜250℃ぐらい。実は結構な高温です。
それはシリコン樹脂加工フライパンの耐熱上限をオーバーしています。こうした考慮も踏まえてReproは30〜200℃と使用温度帯を制限しています。
ちなみにReproを使いフライパンで200℃にして餅を焼いてみると、焼けるには焼けますが、焦げ目はつきません。あの香ばしい匂いがしてこないと正直グッとくる感じじゃないですねえ…
鎌倉文士が愛した常夜鍋
と、これまで「意識低い系」の言い訳をグダグダ並べてきましたが、ネットサーチした結果、意識低い系の諸々の条件にかない、かつ美味しそうな「お餅を使った料理のレシピ」として、NHKさんの「みんなのきょうのレシピ」にあった「常夜鍋」を発見しました。
常夜鍋とは本来は出汁を取らない、いわゆる「水炊き」の一種で、詰まるところ
「豚肉とほうれん草を水炊き、というかしゃぶしゃぶして食べるお手軽鍋」
ですね。NHKのレシピでは昆布だしを軽く取っていますが。

常夜鍋は、ウィキペディアによれば久米正雄ら鎌倉文士の間で広まっていった料理で、「じょうやなべ」とか「とこよなべ」と読み、毎晩食べても飽きがこないことが名前の由来だそうです。
なんか正月から、自分が「昭和の文豪」になったようでいいじゃないですか!
それにしても文豪って、どれだけ贅沢なんでしょう。「お手軽鍋」と言っても、あの時代にしては結構に豪勢な鍋を毎晩つついていたものです…
久米正雄さんと里見弴さんは、花札賭博の常習犯として官憲のお世話になった経歴もあるので、鍋をつつきながら花札にでもうち興じていたんでしょうか。鎌倉文士って言うとすごく知的な印象がありますが、ホント不良中年です。
まあ、ロックスターと文豪は、私生活が破天荒じゃないと、というのもありますが…
常夜鍋はフリーダム

花札賭博のおとも常夜鍋ですから、作り方もかなり自由です。今回のレシピでは大量の大根おろしとポン酢しょうゆで食べますが、タレもポン酢しょうゆの他に、ごまだれとか、ただのしょうゆとか…
年末に松本純子さんのご主人 料理家の樋口直哉さんが出演していたNHKの「激突メシあがれ 冬の鍋スペシャル」に、大阪の有名店「懐石 本多」の本多 悟シェフも出演し、常夜鍋らしきお手軽鍋の作り方を披露していましたが、このつけダレはなんと「ウスターソース」。
日ごろ「二度漬け禁止」の厳しい掟に縛られている大阪人の憂さを晴らすかのような「ソースつけ放題」な一品でした。
薬味も大根おろしだけでなく、おろし生姜や一味唐辛子などさまざまです。
さらにNHKのレシピでは、水と少々の酒、それに昆布だしの煮汁でしたが、もっとたくさんの酒を入れるレシピも。本多シェフに至っては「酒のみ」でしゃぶしゃぶするという、とんでもなく贅沢な鍋になっていました。
もちろん今回のレシピは「巾着餅」が入っているのですが、これもまた自由。豚肉とほうれん草だけでも、ほうれん草を小松菜に変えてもお好みのままに。
常夜鍋の材料
それではNHK「みんなのきょうの料理」のレシピを元にReproレシピ化していきます。元レシピでは10cm角の昆布を入れて沸騰させているだけですが、Reproレシピでは60℃で1時間丁寧に昆布だしを抽出しています。また若干 水などの分量は変更しています。
まずは材料から。
【材 料(2人分)】
- 豚ロース肉(しゃぶしゃぶ用)⋯200g
- ほうれん草(小)⋯1把(200g)
- 油揚げ⋯2枚
- 切り餅⋯4個
- 昆布⋯10g
- 酒⋯カップ1/3(65ml)
- すりおろし大根⋯300g
- ポン酢しょうゆ⋯適量
- 水⋯カップ5(1.0L)

鍋はCRISTEL L浅鍋20cmを使用しました。
鍋物って言うと一番は「土鍋」。後は鍋物に使える高さの低い鍋は、結構鋳鉄製のものが多く、雰囲気はあるのですがメンテナンスが大変だったり、IHコンロに使えなかったり。海外のステンレス製鍋にはローキャセロールもあるのですが、ローキャセロールは鍋物用より微妙に高さあったりしてなんかちょっと違和感があります。
でも最近は、このCRISTEL L浅鍋20cmのように、ステンレス製でも鍋物に使い勝手がよい製品も徐々に出回っているようで、ちなみにこの鍋の高さは7cmです。
下ごしらえ

ほうれん草は2〜3等分にカット。

油揚げは半分に切って袋状にして切り餅を入れます。最初から1/2にカットされ袋状の商品もあるので、適宜利用してください。

300gという大量のすりおろして軽く水気を切り、他の器に盛ります。この「軽く水気を切り」というのが案外難しく、スープを作る時のようにシノワ(ザル)にいれておたまの裏で軽く押して水気を切りました。仕上がり量で300g作るためには大根1/2本近く使いますし、大根の汁を捨ててしまうのに罪悪感もちょっとありますが…
昆布だしを抽出

水1.0Lに昆布10gを入れて60℃で1時間 昆布だしを抽出します。
酒を加えてひと煮立ち

昆布だしの抽出を終えたら昆布を取り出し、酒65mlを加えてひと煮立ちさせます。
巾着餅を煮る

アルコール分が飛んだら火を止め、巾着餅を切り口を上にして並べます。元レシピによれば、つま楊枝などで口を留めなくても、餅が溶ければ口はふさがり、外に流れ出してこないそうです。

ふたをずらしてかけ、95℃で8分間 餅を煮て柔らかくします。
常夜鍋を楽しむ

餅が柔らかくなったら、ほうれん草や豚ロース肉を好きにしゃぶしゃぶして、大根おろしとポン酢しょうゆでいただきます。
もちろん、ごまだれやウスターソースでいただくのもご自由に。
常夜鍋のReproレシピを公開しておきましたので、お正月のお餅が余っているReproユーザーの方はアプリで検索して、お手軽鍋をお楽しみください。





