
目次
たけのこが旬だから
この時期 旬なのは何と言っても「たけのこ」。スーパーの店頭にも並んでいます。こんな時期こそビニールパックされた「たけのこの水煮」じゃなくて、採れたてのたけのこをいただきたいもの。
そんなことでたけのこを買ってきたら、ナイスタイミングで料理家の樋口直哉さんがnoteに「たけのこのアク抜き」の方法を記事にしていました。
たけのこのアク抜きは水だけで
たけのこのアクの正体は、ホモゲンチジン酸と言う聞き慣れない名前の化学物質とシュウ酸で、いずれも水溶性なので大量の水で煮れば、必ずしも「ぬか」は要らないとのこと。
これはいい!ぬかを使うと排水溝が汚れるのと、アク抜きのあと、ぬかの匂いを抜くのに一苦労するので始末が悪いです。水で煮るだけなら…
うわっ!エグい…

ということで、小さめのたけのこ(200gぐらい)1本を軽く洗って土を落とし、そのまま2リットルの水を入れたポトフ鍋で30分煮て、水を替えてさらに30分。合計1時間アク抜きしました。そして味見をしてみると。
うわっ!エグい…
苦みがまだまだ残っています。水量が足りなかったのかなあ…
今年のたけのこは生育不良で難敵かも
これはもう樋口さん本人に聞くしかない!と、いうことで樋口さんに連絡してみたら、
「今年のたけのこ、生育不良でアクが強いので難敵かも、、、!」
う〜ん、ハードルの高い年に挑戦してしまったのか…
高校の同級生もやはり…

…なんてやり取りをしていたら、高校の同級生から「今年も戦いが始まりました。」とLINEが。いまや誰も住んでいない実家の庭にたけのこが生えるので、毎年たけのこ掘りをするのが恒例行事だとか。樋口さんから聞いたままに、
「今年のたけのこ、生育不良でアクが強いので難敵かも、、、!」らしいよ。
とLINEに返したんだけど、しょせん自分より成績の悪かった高校の同級生のアドバイスなんか聞くはずもなく。数日後に、
「いつもと同じ時間(アク抜きの)だったから、あくぬき不完全でした。」
とLINEに。
う〜ん、樋口さんの言う通り今年のたけのこは「難敵」なのか…
難敵にも太刀打ちできるReproアク抜きレシピを作る
ということで、こんな時こそReproの出番です。どんなにアクの強いたけのこでも、そして大きな鍋が家になくても、アク抜きできる究極のレシピを作ろうと思いたち、さっそく2本目に挑戦しました。ちなみに筆が滑って「究極のレシピ」とか書きましたが、実態は単なる「力押し」です。
泥を落として先の方をカット

たけのこの皮は外側の2〜3枚を剥いても良いのですが、水洗いして泥を落としておけば大丈夫。ただ先の方はどうせ食べられないので斜めにカットして、たけのこの食べられるところ(本体)を傷つけないぐらいの厚さ(1〜2cmぐらい)に縦に切れ目を入れておきます。これでどれだけアクが抜けやすくなるのか分かりませんが、少なくとも茹で終わりに皮がきれいに剥きやすくなります。
15分煮たら水替え

1回目と同様にポトフ鍋に水2リットルを入れて煮ますが、今度はもっと頻繁に水替えをします。物質は濃度の濃いところから薄いところに移動します。煮ている水に含まれるアク成分の濃度が低ければ低いほどアクはたけのこから水に移動します。ということで、今回は、最初の2回は15分で水替します。米を研ぐ時と同じ考え方ですね。最初の2回ぐらいは吸水しやすくぬか臭い味が戻りやすいのでサッと洗って水替えするのと同様に、たけのこのアク抜きも最初の2回はインターバルを短くします。

ちなみに、たけのこ本体は水に沈むのですが、皮付きのたけのこは浮くので落としぶたがあると便利です。ただしアク抜きのあとで落としぶたを味見?してみたら苦くなっていたので、たけのこのアク抜きの後に落としぶたのアク抜きをしないと他の料理が苦くなる危険性があるところが難点ですが…
固さチェックとエグみチェック

15分 ✕ 2回=合計30分煮たら、竹串を刺して固さチェックを。このサイズのたけのこなら、このぐらいで固さは合格点になっているはずです。

そしてもう一つが、たけのこの下の方を薄く切って、食べてみて「エグみチェック」をすること。この後、エグみチェックをしてエグみがほぼなくなるまで煮沸を繰り返します。
3回目以降は30分間隔でアク抜き
2回水替えして3回目以降は「エグみチェック」をして、ほぼエグみがなくなるまで「30分煮て水替え」をひたすら繰り返します。
最後は水替えした冷水で冷ます
ほぼエグみがなくなったら水替えした冷水で冷まします。この工程でもエグみは流出していきます。水道をチョロチョロ流しながら流水にさらしてあげるのが濃度差的にはベストなのかもしれませんが。結局今回は合計1時間30分アク抜きを繰り返しました。
切れ目から皮を剥く

最初に包丁を入れた切れ目から剥いてあげると、きれいに皮を剥くことができます。ちなみに内側の皮の下部の柔らかい部分(姫皮)は食べられるので捨てないで使いましょう。
1時間30分(水替え作業と冷水で冷ます作業も入れると約3時間)かけました。まだうっすら苦みが残っていますが、きりがないので、これも「春の味」と割り切りましょう!
これもReproレシピに公開しましたので、Reproユーザーの方は試してみてください。ループステップで無限に30分間隔を繰り返せます。
鳥とたけのこの炊き込みごはん
わずかに「春の味」が残っているとは言え、せっかく頑張ってアク抜きしたので、さっそく旬の味覚を楽しみたいと思います。ということで「鳥とたけのこの炊き込みごはん」を。
材料・分量と味付け(割り)
- 米 2合(300g)
- 鶏もも肉小口切り 100g
- たけのこ 70g
- だし 400ml(別レシピ「基本のあわせだし」を参照してください)
- 薄口しょうゆ 40ml
- 料理酒 40ml
「和食の割り」で言うと、しょうゆが入る炊き込みごはんは、
出汁:薄口しょうゆ:酒 = 10:1:1
が基本的です。ちょっと濃い味付けかな?とも思われますが、お米と一緒になるとこのぐらいの濃さがちょうどよいと感じるのは不思議です。
米を炊く時にしょうゆが入ると、何かパサパサした感じが出るので、粘りを出したい時には、お店などでは米2合(300g)の1割 = 30gを「もち米」に置き換えたりもしています。家にもち米がある場合は試してみてください。
【下準備】鶏もも肉の霜降り

下準備として、鶏もも肉を霜降りします。このひと手間で仕上がりはきれいになるし、鶏肉の生臭さもかなり減ります。
鍋に400mlぐらいの水を沸かし、鶏もも肉小口切りを投入し、表面が白くなるまで茹でます。

霜降りを終えたらザルにあけて、水を流しながら手でこすりながら鶏肉の表面に付いたアクをきれいに洗い流します。
具材を煮て煮汁を作る

煮汁の材料を混ぜ合わせ、適当なサイズに切ったたけのこと霜降りした鶏もも肉小口切りを入れて加熱スタート。

まずはひと煮立ちさせて、みりんのアルコール分を飛ばします。Reproレシピでは沸騰レベル+0.5に設定してあるので、グツグツ具合はアップダウンボタンで調整してください。

ひと煮立ちを終えたら98℃に温度を下げ、静かに5分間煮ます。鶏の脂が気になる場合は、鍋のサイズに合わせて小さく切ったアク取りシートを表面にかけてください。脂を吸収するとともに保温効果が高まり不必要にグツグツするのを抑えることができます。このあたりもグツグツ具合をみて、微沸騰するかしないかぐらいに温度を調節してください。(ガスコンロの場合は火力を調節してください)

5分間煮終わったら、煮汁が必要以上に蒸発しないようにふたをかけておきます。
この時点で、鳥とたけのこの炊き込みごはんのレシピは終了です。

今回は炊飯にstaubの炊飯用鍋「ラ・ココット de GOHAN M」を使用したので、Reproの場合、ここからは別レシピ「炊飯2合(Staub)#1」を使います。Reproユーザーの方は、TOP画面に戻って公式アプリでレシピを本体に送信し直してください。
炊き込みごはんを炊く

まずはいつものように米を研ぎましょう。米を研いだらザルあげして鍋もしくは炊飯器へ。

水の代わりに煮汁360mlを入れて浸水します。「炊飯2合(Staub)#1」はstaubの取扱説明書通りに作ったレシピなので浸水時間=10分になっていますが、煮汁が温かい場合は20〜30分も浸水させれば十分かと。このあたりもどれぐらい仕上がりをパラッとさせたいかで決めてください。浸水時間が終わったらReproもしくは炊飯器の加熱をスタートさせます。
蒸らしに入ったら具材を投入

Reproレシピの場合なら、【手順11】の蒸らしステップに入ったら、鍋のふたを開けて具材を投入してふたをします。炊飯器で炊いている場合も蒸らしの段階に入ったら具材を投入します。
本来はもうちょっと手前、煮汁が蒸発し米肌が見えてきたぐらいの段階で投入するのがベストかもしれませんが、炊飯器だと分かりにくいのと、変なところでふたを開けて思わぬエラーや失敗があるかもしれないので、ここでは投入タイミングを「蒸らしの段階」としておきます。
蒸らしを終えたら具材を混ぜる

Reproレシピだと9分間の蒸らし時間、炊飯器の場合も所定の蒸らし時間を終えたら、ごはんの天地を返しつつ具材を混ぜ合わせます。

茶碗によそったら「鳥とたけのこの炊き込みごはん」の完成です。あれば「木の芽」をトッピングすれば最高ですね。
具材は最初から米と一緒に炊くのではなく、途中で投入する方がパサパサしなくてお勧めです。ちなみに高圧(1気圧以上の)を使う炊飯器の高圧段階でもない限り、炊飯の途中でふたを少々開けても仕上がりに影響はないので、ご心配なく。
ちなみに炊き込みごはんにして味付けされてしまえば、少々の苦みはまったく気にならなくなりました。みなさんも、この季節だけの採れたてのたけのこを楽しんでください。